マウスピース矯正中、滑舌が気になる方へ

マウスピース矯正を始める方の中には、治療を始めた直後はマウスピースによる一時的な違和感が出やすく、話しにくさを感じやすく、「滑舌が悪くなった」「うまく話せない」といったご相談も多いです。
このコラムでは、「なぜマウスピース矯正で滑舌が悪くなるのか?」「どのくらいで慣れるのか?」「違和感があるときはどう対処すればいいのか?」といった疑問にお答えし、安心して治療を続けていただけるよう、ポイントをわかりやすく解説します。
滑舌が悪くなる5つの原因と対処法
マウスピース矯正中に滑舌が悪くなるのは、いくつかの原因が考えられます。ここでは、よくある5つの原因とその対処法をご紹介します。
1. マウスピース装置に慣れていない

矯正を始めたばかりの頃は、口の中に異物が入る違和感があり、舌や口のスムーズに動かずに喋りにくさを感じることがあります。
対処法:
・ゆっくり話すことを意識する
・読み上げや発音練習を日常に取り入れる
2. マウスピースが浮いている

しっかりとマウスピースが装着されていない状態だと、歯とマウスピースの間にすき間ができ、発音時のに影響を与えることがあります。
対処法:
・装着後にチューイーを使ってしっかりフィットさせる
・浮くような違和感が続く場合は歯医者へ相談する
3. 唾液量が少なくなっている

マウスピースをつけることで唾液の分泌が一時的に減り、口の中が乾燥しやすくなります。その結果、舌が動きづらくなり、滑舌にも影響が出ることがあります。
対処法:
・こまめな水分補給を心がける
・唾液腺マッサージを行う
4. マウスピースが変形や破損している

マウスピースにひび割れや変形があると、装着状態が不安定になり、舌や唇に引っかかって発音しにくくなる場合があります。
対処法:
・変形や破損があった場合は使用を中止し、すぐに歯医者に連絡する
・予備のマウスピース装置をつける
5. 舌の動きが慣れていない

発音は舌の位置や動きに大きく関係しています。マウスピースの影響で舌の動きが制限されると、特に「サ行」「タ行」などが言いづらくいことがあります。
対処法:
・舌の位置を意識する
・「パタカラ体操」などの発音練習を行う
マウスピース矯正中の滑舌についてよくあるご質問
滑舌の悪さは
いつまで続きますか?
A.個人差はありますが、多くの方は数日〜1週間程度で自然と慣れていきます。最初は舌や口の動きに違和感があるかもしれませんが、筋肉がマウスピースの存在に順応していくにつれて、発音も徐々に安定していきます。 焦らず、少しずつ口の動きに慣れていくことが大切です。
仕事の関係で
滑舌の変化が不安です。
どうすればいいですか?
A.商談やプレゼンテーションなど、特に話すことに集中したい場面では、マウスピースを一時的に外すことも可能です。しかし、長時間の取り外しが続くと、計画通りに歯が動かなくなる可能性があるため、必要なとき以外は装着を忘れずにお過ごしください。
滑舌改善には、
どんなトレーニング方法
がありますか?
A.舌や口まわりの筋肉をスムーズに動かすための発音トレーニングや口の体操が効果的です。3つのトレーニング方法をご紹介します。
①ゆっくり大きく話す練習
普段よりもゆっくり、口を大きく開けて話すだけでも、滑舌が安定しやすくなります。
②早口言葉の練習
「生麦生米生卵」などの早口言葉をゆっくりはっきり発音することで、舌の動きがスムーズになります。
③舌回し運動
舌を歯の表面に沿って、右回り・左回りにそれぞれ10回ずつ動かします。口輪筋や舌の柔軟性を高めるのに役立ちます。